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外国人からの電話
何度か、それとなく、大家さんの存在を今までちらつかせてきたのですが.... 実は、大家さんは、黒人街に住む、生粋の黒人。しかも、超おデブ。さらに、ご年配の方で、スケベな一人モンなのです。その辺は、一緒に過ごした期間、いろいろ事情があったことを教えてくださいました。 パート・タイムの家政婦がいるのですが、ひそかに恋心を寄せているのだとか....しかしながら、恋心といっても、”ベテラン”の域に達したとでもいうのか、お互いの恋心を知っているようなのですが、現状維持を貫こうとしているようにも見えます。そこは、お互いのことなので、これ以上、私も言及するつもりもないし、逆にPushするつもりもありません。いろいろな愛情の形があってもいいと思います。
さて、この大家さん、どーしようもない!と思ったこともしばしばでしたが、彼がいなかったら、私の留学は成功しませんでした。いろいろ教わったこともあったし(良いこと・悪いこと含めて)、今ではとても感謝しています。
黒人特有とでも言うのか、とても陽気な方で、黒人の歴史的観点から言っても、精神的に強い方です。今でも、たまに近況報告の電話をするくらい、私の大好きな人のうちのひとりです。歳の差がだいぶあるのですが、不思議なものです。さまざまなお互いの要素が、うまくかみ合い、国籍・人種・考え方の違うもの同士が、”留学”を通して、ある種の信頼関係が成立しています。彼は、交友関係も広く、黒人以外にも、日本人・韓国人・トルコ人・その他、各国にお友達がいるのです。
さて、タイトルの”電話のエピソード”について、 2005年1月、場所は、中国の旧満州と、ほぼ同緯度に位置する大都市。とても寒い週末の夜でした。私は、予定していた、アルバイトをこなしていました。その日は、過去最高の売り上げ目前で、何とか記録更新したいと思い、無理を覚悟で、終電ギリギリまで仕事をこなしていました。 最後の接客が終わったのが、23時過ぎ。少々焦りながらも、駅まで徒歩数分の現場だったので大丈夫だろう。また、アメリカの交通機関の時刻表は、いつも遅れ気味だったので、大丈夫!と、根拠のない理論で、最終的に路面電車の駅に着いたのは、23時40分だった。 予定乗車時間の約10分後だ。0時を過ぎると、数時間に数本単位の電車しか走らないので、どうしても次の23時54分の電車に乗って帰宅しなければならなかった。翌朝は、9時からの1限目の授業がある。その授業のプレゼンの準備も今夜中にしなければならない。終電をミスることは許されない状況だった。
時間は、0時を過ぎた。23時54分の電車が来ない。手袋をはめた指先は、もう感覚が麻痺していた。寒い。つい数十分前までは、暖かい部屋で和んでいたのがウソに思えるくらい。あたりに人影はない。近くには、路面電車2台がやっと通るくらいの、古びたトンネルがある。そこから、私の帰宅電車が来るはずなのに、待っても、待ってもただ虚しく時間は過ぎていく。そのトンネルから吹き上げる風が、”ゴーゴー”となるだけで、いっそう虚しくなる。そのトンネルは、センター・シティー(中心街)に通じていて、常に遅くまで都心の交通機関は走っている。それは、経験的に知っていることだった。しかし、その夜は違った。
気がついたら、2時を回っていた。いつも仕事用に携帯していたケータイが突然鳴った。見に覚えのない電話番号だ。普段なら、絶対かけてこない人なので、電話の登録をしていなかった。 「ハロー.....」 やる気のない無気力な低い声、そしてなんとなく奥歯にモノの詰まったような話方、大家さんだった。あまりにも私の帰宅が遅いので、心配して電話をくれたのだった。命拾いした。あまりの寒さと、空腹に、私は外のベンチでウトウト眠りかけていたのだ。一気に眠気も吹き飛んで、今日1日の報告をして、心配かけてしまったことを謝った。そして、これから大家さんが、車を出して迎えに着てくれることになった。
どうしよう(汗)はじめてきた仕事の現場につき、自分の現在地を伝えることができない。しかも、夜だ.....(焦)とりあえず、周りに見えるもの全てを状況説明する。肝心な路面電車の駅名が何処にもない!と言うか、暗くて気づかなかっただけなのだが、そのときは、私がどこの駅にいるのか分からなかった。4、5分くらい、無意味な会話を一方的にしていたと思う。大家さんは、ただ、ひたすら、うなずくだけで、私が、何を言っているのか分からない様子でした。
私は、冷静に、周りを見渡した。大学がいくつか見えた。幸いにも、ここは、この都市でも珍しく、2つの大学のキャンパスが密接している場所なのだ。そのことを伝えた。電話の向こうの大家さんも、大体の私の位置を把握してくれたようだった。 「OK!じゃ、ここから、車で、3、40分くらいのところだね.....」
最後の、ズバリの目印が言えない!寒さで、頭が回らなかったのか(笑)、あのトンネルのことを伝えてみた。"It rings a bell !!"(ピンと、きたようだった!)
後で、わかったのだが、そのトンネルを言えば、一発で、場所が分かったのだそうだ(悲)その夜は、徹夜で、学校の朝の授業に行ったのことは言うまでもない(眠)その日、1日がぼ〜ッとしていた。また、その日は、誰ひとりとして、仲の良い友達に会える授業がなかった......(不運) 勉強にもならなかったし、財布も自宅に忘れてしまい、お昼すら食べられず、夕方までただ、ひたすら我慢していたことを記憶している。今となっては、懐かしい思い出話だ。
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(2007年9月開設)
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